頑張りすぎて疲れた、もう頑張りたくないと感じたら|原因は自分?上司との認識差?評価制度?会社の構造?
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頑張りすぎて疲れた、もう頑張りたくないと感じる原因は一つとは限りません。本人の頑張り方の問題ではなく、上司との認識のズレ、評価制度の設計、会社の構造のいずれかにある場合もあります。まずどこに原因があるかを分けて考えることが、次の一歩につながります。
「もう頑張りたくない」は、甘えでも例外でもない
ちゃんとやる人に仕事が集まる。でも、仕事が増えた分だけ給料や評価が上がるわけではない。これが何か月も続けば、「頑張る意味あるのかな」と思うことがあっても不思議ではありません。かといって、「あなたは悪くない」「会社がすべて悪い」と単純に決めつけられるものでもありません。原因のありかによって、次に取れる行動は変わります。
研究の視点:努力と見返りの不均衡
職業性ストレスを説明するモデルの一つに、仕事で費やす努力と、そこから得られる見返りのバランスに着目したものがある。見返りは賃金だけでなく、昇進や雇用の安定、周囲からの評価や承認も含まれる。努力に対して見返りが少ない状態が続くと、慢性的なストレス反応につながりやすいとされる。
出典:東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野「日本語版 努力-報酬不均衡モデル職業性ストレス調査票 使用マニュアル」(2007年)。原モデルはドイツの社会疫学者Siegristが提唱。
だから、「頑張っているのに報われない」という感覚は、単なる愚痴や気の持ちようではなく、努力に対する見返りの不均衡として説明できる状態です。見返りは賃金だけでなく、昇進の見込みや、周囲からの承認も含まれます。では、自分の場合、この不均衡はどこから来ているのかを見ていきます。
原因を4つに分けて考える
① 本人の頑張り方の問題 頑張る方向が、そもそも成果につながりにくいやり方になっている場合です。量は多いが優先順位が定まっていない、完璧を求めすぎて時間がかかりすぎている、といった状態が当てはまります。
② 上司との認識差 本人は頑張っているつもりでも、上司にはその頑張りが伝わっていない、あるいは上司が期待している「頑張り」の中身とズレている場合です。
③ 評価制度の設計 頑張りの方向も、伝え方も問題ないのに、評価制度そのものが個人の努力を反映しにくい仕組みになっている場合です。評価基準が曖昧、成果が数値化しにくい業務内容、といった状態が当てはまります。
④ 会社の構造 評価制度自体はあっても、昇給の原資が限られている、ポストが埋まっていて昇進の枠がない、といった会社全体の構造上の制約がある場合です。この場合、個人の頑張りや伝え方だけでは変えられません。
SONOSAKIではこう考える
SONOSAKIでは、「もう頑張りたくない」という状態に対して、まず「今の頑張り方」「伝わり方」「評価制度」「会社の構造」のどこに原因があるかを切り分けるべきだと考えます。原因を分けずに「もっと頑張ろう」とだけ考え続けると、①以外が原因だった場合、頑張りを重ねるほど疲弊だけが積み上がってしまいます。
たとえば、物流・倉庫管理職のPさんの場合。繁忙期のたびに人手が足りず、Pさんが自分の担当外の業務まで引き受けて乗り切ってきました。しかし評価面談では「特に大きな変化はない」とだけ言われ続け、「もう頑張りたくない」と感じるようになっていました。4つの軸で整理してみると、Pさんの頑張り方にも伝え方にも問題はなく、原因は「繁忙期の応援対応が評価項目そのものに存在しない」という制度設計にありました。Pさんが変えたのは、頑張り方ではなく、応援対応の実績を記録に残し、評価制度の見直しを人事に提案することでした。
それぞれのケースで、次にできること
- ①本人の頑張り方が原因の場合:優先順位のつけ方や進め方を、上司や周囲に相談しながら見直す余地があります
- ②上司との認識差が原因の場合:定期的に成果を共有する機会をつくることで、ズレが縮まる可能性があります
- ③評価制度が原因の場合:制度そのものの改善提案や、評価者との事前すり合わせが有効な場合があります
- ④会社の構造が原因の場合:個人の努力だけでは変えにくいため、今の会社に残りながら別の役割を探すか、環境を変えるかの検討が現実的な選択肢になります
原因ごとに、さらに詳しく確認したいこと
②上司との認識差が疑わしい場合は、仕事のモヤモヤを上司に伝えたい人へ|言い方と伝える前の準備、③評価制度そのものにズレを感じる場合は、頑張っても評価されないと感じたら|自分の努力と会社の評価基準の「ズレ」を確認する方法、④会社の構造が原因になっている可能性がある場合は、「仕事ができる人」ほど損をする会社がある|頑張るほど仕事が増える職場の特徴や評価されない会社の特徴とは?頑張っても報われない職場の共通点も参考になります。「自分だけ頑張っている気がする」という感覚が強い場合は、「頑張り続けているのは自分だけ?」と感じたらもあわせてご覧ください。頑張っても変わらないと分かっていながら力を抜けない場合は頑張るのをやめたら評価が下がりそうで怖い|力を抜けない人が確認したいこと、気力そのものが湧かなくなっている場合は頑張っても変わらないと気づいてから、働く気力がなくなったも参考にしてください。「頑張りたくない」が甘えなのか見直すサインなのか自分では判断がつかない場合は「仕事を頑張りたくない」は甘え?それとも見直すサイン?|3つの質問で見分ける、④会社の構造が原因で異動と転職どちらを考えるべきか迷う場合は頑張っても報われないとき、異動と転職どちらを考える?|後悔しない選び方も参考にしてください。
この記事の要点
- 「もう頑張りたくない」という状態は、努力に対する見返りの不均衡として研究でも説明されており、気の持ちようだけの問題ではない
- 原因は「本人の頑張り方」「上司との認識差」「評価制度」「会社の構造」の4つに分けて考えると、次の行動が見えやすくなる
- ①②は今の会社の中で調整できる余地があるが、④は個人の努力だけでは変えにくい
- どこに原因があるか自分では判断がつかない場合、今の状況をLINEで聞かせてください。本人の問題なのか、環境との相性なのか、一人では見えにくい視点を一緒に整理します